うまく弾けないとき 教則1巻

付点4分音符は何拍!? 『メリーさんのひつじ』が弾けない!?

付点4分音符と8分音符の組み合わせでつまづいてしまう場合、大抵はその前の学習段階で抜けがあります。
私の教室ではアコーディオン教則1巻の中盤に出てくる『メリーさんのひつじ』が該当します。超の付く有名曲ですので、耳で覚えている感じでなんとなく弾くことも可能でしょうが、ここでこれまでのことを確かにしておかないと付点4分音符と8分音符が出てくるたびに苦労しますので、確実に身に付けておきましょう。

付点4分音符は1.5拍?

せいと 「せんせい、『メリーさんのひつじ』が両手で合わなくて。」
せんせい「はい。」

『メリーさんのひつじ』より

『メリーさんのひつじ』より

せいと 「付点4分音符って1.5拍ですよね。で、8分音符は0.5拍ですよね。1.5拍のばした後に0.5拍弾くっていうのがどうも分からなくて。」

せんせい「それ、私も分からないですね。1.5ってどうやって感じ取るんですか。」

せいと 「それをせんせいに聞きたいんですけれど。」

せんせい「私は付点4分音符は4分音符と8分音符を足した長さとお伝えしていたと思いますが、1.5て何ですか?」

せいと 「ネットで楽譜の読み方を探して勉強したんですよ(えへん)。4分音符は1、付点4分音符は1.5でしょ、せんせい。」

せんせい「付点4分音符は4分音符+8分音符の長さだから、4分音符に対して1.5倍で間違ってはいませんが、1.5拍分じゃないときもあるんですよ。ついでにいうと4分音符が1拍じゃないときもあります。」

せいと 「どういうことですか? 全然分かりません。」

付点4分音符は何拍?

まずは音符・休符の長さと拍と拍子のおさらいです。

     全音符/休符に対して、
     2分の1の長さが2分音符/休符
     4分の1の長さが4分音符/休符
     8分の1の長さが8分音符/休符 です。

拍と拍子

拍と拍子

4分の4拍子、4分の3拍子、4分の2拍子など、拍子記号の下の数字が4のときは「4分音符で1拍」です。

2分の2拍子は「2分音符で1拍」ですので、4分音符は半拍分になります。

8分の6拍子は「8分音符で1拍」ですので、4分音符の長さは2拍分になります。

いつでも4分音符♩が1拍というわけではない、ことを頭に入れて置いてください。

‐‐‐‐‐‐‐

せいと 「じゃあ、『付点4分音符は何拍か』の答えは」

せんせい「正確にいうと長さのことなので『何拍分』か、ということになりますが、それは何分の何拍子かによって答えが変わってきますので、付点4分音符は4分音符+8分音符の長さとしか言いようがないんですよ。」

分数もやめよう

せいと 「ではせんせい、4分の4拍子の場合は、4分音符が1拍で、8分音符が2分の1拍、付点4分音符は1拍+2分の1拍=2分の3拍てことでいいんですか」

せんせい「2分の3拍をどうやってのばすの・・・」

せいと 「分かりません」

せんせい「少数が分数になっただけでさっきと同じことを言ってますからね、少数計算も分数計算もやめましょう。」

拍数と音の長さ(何拍分)は違う

せいと 「でもせんせい、インターネットで楽譜の読み方を調べて出てきた『音符の長さ』って項目でほら、こうやって、4分音符が1、8分音符が0.5、16分音符が0.25って書いてありますよ。このページを印刷してずっとこれで勉強してたんです。」

せんせい「4分の4拍子や、4分の3拍子のときのように、4分音符が1拍の場合はそういう言い方もできますけれど・・・。」

 

 

せんせい 「〇を付けた音は何拍目になりますか?」

せいと 「1. 5拍目です。」

せんせい「これは何拍目になります?」↓

せいと 「1拍目です」

せんせい「始めのラの音は何拍目?」

せいと 「・・・・・・1拍目?」

せんせい「そう、はじめのラが1拍目ですね。音の長さを拍だと勘違いしているようですが、拍数と音の長さ(何拍分)は違うものです。」

せいと 「ではさっきの〇を付けた音符のところは、初めの音が1拍目だから1+1.5で2.5拍目ってことですか?」

せんせい「そういう言い方ができないことも無いけれど、1.5拍目や2.5拍目という言い方はあまりしませんね。2.5拍目ってどうやって感じ取るんですか?」

せいと 「分かりません」

せんせい「3巡しましたよ(笑)。」

演奏用の数え方がある

せんせい「その1.5や2.5、2分の3などを計算しながら弾くのは無理だと思います。0.5や1.5という考え方は音の長さは分かるかもしれませんが、曲の流れを読み取ることができません。」

せいと 「でもこの0.5や1.5て考え方でいいんでしょ? せんせい。」

せんせい「楽譜を書くときには足し算して小節からはみ出さないようにする必要がありますから、そのような考え方が必要な場合もあります。でも楽譜を読むのには適さないのですよ。たとえば英会話教室に行ってね、」

せいと 「はい?」

せんせい「英会話の先生が『Hello!』と言ったのに対して『先生、ハローじゃなくてエイチ イー エル エル オー ですよね!? ネットで調べて勉強しました!』て言ってる様なものなの、今のやりとりは。」

せいと 「ええ?」

せんせい「書くときにはエイチだのイーだのは必要です、でも読んだり喋ったりするときにはそれじゃ駄目ですよね。」

せいと 「はあ……。0.5や1.5は間違いじゃないけど、演奏のときには演奏用の数え方があるってことでいいんですか?」

せんせい「そうそう、そうなんですよ!」

付点4分音符の数え方 ‐ 4分の4拍子の場合

せいと 「ではどうすれば・・・」

せんせい「『と』を入れた数え方をします」

せいと 「ああ、これ!?」

せんせい「そう、1巻42頁43頁の8分音符の練習で出てきたこれ。数字が拍の頭(表拍‐通称オモテ)、「と」が拍の裏(裏拍‐通称ウラ)と呼ばれるというあれです。「と」を入れて数えることによって8分音符に対応できます。」

せんせい「『メリーさんのひつじ』の1小節目のラーソのソは2拍目の裏、2「と」のタイミングで弾けばいいのです。」

せいと 「8分音符、難しくて・・・」

せんせい「そうですか、そうすると、『メリーさんのひつじ』が弾けなかったのは、拍の数え方と8分音符を理解していなかった為ですね。」

せいと 「やり直し?」

せんせい「そうですね、今後のためにも戻ってやり直しですね。1と2と3と4とを数えながら8分音符を弾く練習からです。」

せいと「やり直さないとだめ?」

せんせい「付点4分音符より8分音符の課題のほうが易しいですよ。飛ばしてやろうとすると無駄に時間がかかってしまいますし、場合によってはできない可能性もあります(つまり挫折)。」

音を鳴らす回数が拍子、ではない

せいと 「せんせい、この8分音符の練習がまた難しくて・・・」

せいと 「1小節目は右手も左手も4拍子だけど、2小節目は左手だけ4拍子で右手が8拍子になるでしょ?」

せんせい 「お?」

せいと 「右手が8分音符が8コ入って8拍子」

せんせい 「この曲は何拍子ですか?」

せいと 「・・・4分の、4拍子・・・?」

せんせい「8拍子、4拍子、どっち・・・?」

せいと 「うーん、4?? でも2小節目だけ8・・・?」

せんせい「拍子は音を鳴らす回数のことではなくて、基礎的なリズムのことです。決まった数で強い拍と弱い拍が繰り返されることを指します。」

せいと 「8コ弾くのに?」

せんせい「日本語の『拍子』とは意味合いが違うんです。」

せいと 「三三七拍子は3回3回7回打ちますよね。」

せんせい「そう、日本語での拍子は手を打つ回数や手を打つタイミングを指しますが、西洋の音楽理論での『拍子』は基礎的なリズムのことを指します。時間を等分に区切ったものが拍、規則的に強い弱いを繰り返して拍を打つのが拍子です。音は拍子に合わせて伸ばしたり刻んだりするんです。」

せいと 「4分音符で1拍なら、8分音符は2分の1拍ってことですか。」

せんせい「それを何に合わせる? その1拍や2分の1拍ってどれくらいの長さなの?」

せいと 「分かりません。」

せんせい「拍子に合わせるんですよ」

せいと 「拍子に合わせる・・・」

せんせい「この辺りの感覚は楽譜を見て計算しているうちは身に付かないでしょうね。拍に合わせて弾かないことには得られない感覚でしょう。とりあえず計算するのはやめて、この曲の場合だと4拍子ですから、メトロノームをかけて、1と2と3と4とに合わせて弾いてくださいね。」

せいと 「うーん・・・?」

せんせい「今までのやり方は一度置いて、やってみることです。言葉だけで説明するのはこの辺りが限界ですね。」

‐‐‐

この例では付点4分音符が弾けない理由で断トツの8分音符の学習の抜け落ちを書きましたが、人によってはイタリア音名と英音名の対応ができていない、指番号を覚えていない、左手の位置が不安定など違う学習の抜け落ちがあるかもしれません。

付点4分音符に限らず、「難しくてここから先に進めない」という課題にあたったときには、それ以前の学習段階の飛び越し、抜け落ちが無いかを点検してください。

「楽譜が読める」は「やがて弾ける」‐拍、リズム編
メトロノームと合わせる

なんとなく弾けるようになったりはしないのか

せいと 「この曲はよく知っているし、なんとなくは弾けてたと思うんですけど。」

せんせい「♪メーリさんのひつじー のリのあたりで右手と左手が合わなくてくちゃくちゃってなってましたよね。」

せいと 「だめ?」

せんせい「それを放置すると今後、付点4分音符が出てくる度に困りますよ。」

せいと 「そのうち弾けるようになったりしない?」

せんせい「その『なんとなく練習』を8分音符のときから続けてきた結果がいまですよ。」

せいと 「数えながら弾くの大変だし。」

せんせい「その出口の見えない『なんとなく練習』を続ける方が大変だと思いますが・・・」

せいと 「歌うように弾けるようになったりしないの?」

せんせい「両手演奏は合奏と同じですから、拍やリズムの理解は必要になるんですよ。」

せいと 「数えながら弾くの面倒だし。」

せんせい「そこなんですよね。生命維持に関係ない上に苦労するようなことは脳みそが嫌がるらしいんですよ。むしろそれが普通らしいです。余計なエネルギーを使わないようにサボりたくなるんですって。」

せいと 「ええ?!」

せんせい「そこを越えられればすべての人間が素晴らしく絵が上手になったり楽器が上手になったり数学や古文がスラスラ解けたりするんでしょうねえ。」

せいと 「どうすれば・・・」

せんせい「人類全体の課題ですよね。習慣づけがいいとよく云われますけれどね。今日とりあえずちょっとだけやってみる。明日もとりあえずちょっとだけやってみる。」

せいと 「ちょっとずつ・・・」

せんせい「苦痛にならない程度にちょっとずつ。出来たら自分をほめるんですよ。わあーできたって。」

「楽譜が読める」は「やがて弾ける」‐拍、リズム編
メトロノームと合わせる

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