アコーディオンの弾き方

小学生の合奏用アコーディオンの弾き方

この記事は学校音楽教育現場で合奏用アコーディオンを指導している方むけの記事となっております。

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小学校にある左手ボタンの無いアコーディオンのことを合奏用アコーディオンと言います。

合奏用アコーディオン(左手ボタンの無いアコーディオン)

合奏用アコーディオンを作っているメーカーは合奏用と区別するために、左手ボタンの付いているアコーディオンのことを独奏用アコーディオンと呼んでいますが、アコーディオンとは左手ボタンが付いているもののことで、左手ボタンの無いアコーディオンは日本の音楽教育界独自のものです。

合奏用アコーディオンにはソプラノ、アルト、テナー、バスと音域の違う4種類があります。昭和の時代にはたしか赤、緑、青、灰に色分けされていたと思いますが、現在は赤のみのようですね。

アコーディオンの持ち方や蛇腹の開き方については基本的には独奏用アコーディオン(つまりアコーディオン)と同じです。
アコーディオンの持ち方・蛇腹の開閉姿勢を参考にしてください。小学生への指導の場合、まずは肩ベルトの調節を気を付けてあげてください。これが合っていないととても演奏がしにくくなります。左手バンドもゆるくないか見てあげてください。ゆるいと開きにくくなります。ややきつい方が弾きやすいです。

もうひとつ、どこか鍵盤を押さないと空気の流れ道ができないことを伝えることも重要です。蛇腹が動かないから弾けないと、弾くことをいきなり諦めるケースが大人でも結構あります。

具体的な蛇腹の開閉箇所も独奏用アコーディオンと同じ考え方でよいと思います。
アコーディオンの弾き方/蛇腹の開閉箇所を参考にしてください。

左手の位置はどこに?

独奏用アコーディオンであれば左手ボタンの操作がありますので、該当するボタンの列に移動しながらの演奏になりますが、合奏用アコーディオンはそうではありませんので、どこに左手を置くか悩むところですよね。

左手バンドの幅が一番広くなる真ん中が無難かと思います。真ん中の位置で左手バンドを調節しておけば、上下に手が動いてしまってもゆるくなることがないからです。絶対真ん中でなくてはいけない訳ではないので、演奏中に上下するのは問題ありません。

手の平の位置ですが、左の箱を掴むようにすると開閉しやすいです。正面から見たときに指が見えている状態ですね。手の平全体が左の箱側面に隠れている状態ですと、力が入れにくいですいし、肘が後ろに下がり脇が閉じるため、蛇腹の開閉(特に開き)がしにくくなります。

蛇腹を閉じるときに空気抜きボタンを押す?押さない?

蛇腹を閉じるときに空気抜きボタンを押しながら閉じるという指導がされているところもあるそうで、ご相談をいただいたことがあります。

空気抜きボタンとは左の箱の側面(左手バンドのある面)の上の方についているボタンです。これを押すと空気の逃げ道ができ、音を出さなくても蛇腹を開閉することができます。

どこか鍵盤を押すと空気の流れ道ができて音が鳴る楽器ですので、音を出しているのであれば空気抜きボタンを押さなくても蛇腹は閉じていきます。音も出しているのに空気抜きボタンも押してしまうと空気が余計に抜けてしまい、しっかり音が出ません。なので、空気抜きボタンを押しながら弾くのは間違っています。

空気抜きボタンを押して蛇腹を閉じる必要がある場合は、蛇腹を開いた状態でフレーズを弾き終わり、次に音を出すまでに何小節か休みに入る場合です。次弾き始めるときには開きから(蛇腹を閉じ切った状態から)始めたいですからね。

ですが、これは弾き終わったときに閉じて終わるように、たとえばそのフレーズが4小節なら2小節開き、2小節閉じと決めておけば、休みの間に空気抜きボタンを押して閉じる必要は無くなります。できれば閉じて終わるようにしたほうが見映えもいいですからね。
閉じきるように開閉しても閉じきれなかったときの緊急措置として空気抜きボタンを使うのが良いと思います。

まとめると
・弾いている(音を出している)ときは空気抜きボタンは押さない
・休みのときに蛇腹を閉じるときは空気抜きボタンを押す

蛇腹の開閉箇所は揃えるべき?

同じパートの開閉箇所は揃えておいた方が良いと思います。違うパート同士を揃える必要は無いと思いますし、できないこともあると思います。(ユニゾンのときは揃えた方がよいと思います。)

音の強弱は空気の送り込みで行う

指導者の皆様はアコーディオンが初めてという方も多いと思いますが、ピアノ経験のある方は多いと思います。合奏用アコーディオンの右手側はピアノ鍵盤と同じ形状をしていますので、大体の見当はつくと思います。

しかしピアノと違うところもあります。音の強弱は空気の送り込みでつけます。どれだけ鍵盤を強く叩いても音は大きくなりません。

あと、ピアノのペダルに該当するものがありません。音をのばしたいときは鍵盤は押さえっぱなしにして空気を送り続ける必要があります。

子どもたちは音楽の授業で鍵盤ハーモニカを演奏していると思いますので、鍵盤ハーモニカの吹き込みにあたるのが、蛇腹の開閉であると伝えると分かりやすいと思います。

音の立ち上がりがはっきりしないときには「沢山空気を送り込んで」という指示では難しいので、「蛇腹を素早く開いて(閉じて)」という指示をしてください。

ピアノとの違いはピアノからアコーディオンへの転向で気を付けたいことに詳しく書いています。

余談ですが・・・

私の教室で大人になってから習いに来た方の中に1名、「小学校の頃に器楽部でアコーディオンを弾いていただけで、あとは楽器をやったことがありません」という方がいらっしゃいましたが、空気を送り込んで音を鳴らすという基本的なことを体得していたので、非常に進みが良かったです。何より子どもの頃やって楽しかったから大人になってから習いに来たのです。先生のご指導が良かったのだと思いました。
陰ながら全国の学校音楽教育の指導者の皆様を応援しております。

アコーディオンの持ち方・蛇腹の開閉姿勢
アコーディオンの弾き方/蛇腹の開閉箇所

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