アコーディオン概要

アコーディオンとは‐種類と歴史

アコーディオンという楽器

アコーディオンという楽器はそもそもが軽音楽向きの楽器です。
19世紀初め、時代がクラシックから軽音楽へ(特別な階級の人たちから庶民へ)傾いていく時代に生まれた楽器です。この楽器の生まれた背景にはヨーロッパの産業革命も大きく関わっています。
当時の音楽の流行にこの楽器は合致し、汎用性の高さから各地の民族音楽に取り入れられ、場合によっては他の楽器にとって代わっていきます。
その国、地域に適した機能、音色が採用されていったため、今でもアコーディオンには色々な種類があります。また音色も国や地域(メーカー)によって違いがあります。

楽器そのものの特徴としては、金属リード(笛)を蛇腹と呼ばれるひだ状のふいご部分で空気を送り込み鳴らすことと、左手のボタン1つで和音が出せること、これらが大きな特徴です。

アコーディオンの種類 大きく分けるとこの3つ

アコーディオンの種類

ボタン式アコーディオンに関しては「ボタン式アコーディオン とは」でさらに詳しく書いています。
大きさの種類(左手側ボタンの数の多い少ない)に関しては「初めてのアコーディオン選び/左手ボタンの役割と数について」で詳しく書いています。電子アコーディオンについては下の方で少し触れています。

アコーディオンの歴史 - 誕生

約2500年前、中国で金属リードで鳴る楽器「笙」が誕生

17世紀中頃にはヨーロッパで笙の存在が知られるようになる

1821年 フリードリッヒ・ブッシュマンがドイツ ベルリンにて「アウラ」を作る
アウラはのちにハーモニカとして知れ渡りウィーンで大流行する

1822年 ブッシュマンが蛇腹つきのアウラ「ハンド・エオリーネ」を作る

1825年 オーストリア ウィーンにて、シリル・デミアンが1つのボタンで和音が鳴る楽器「アコーディオン」を作る

大雑把に書くと

オルガンの調律笛だけでも演奏できそう→「アウラ」
いちいち手にもって吹くの面倒くさいな→「ハンド・エオリーネ」
これ、和音も出せたら独奏できるのでは→「アコーディオン」

アコーディオンという呼び名はデミアンがアコード(和音)とイオン(器)を足して作ったものです。誕生当時のアコーディオンの指を押さえるところは鍵盤でもボタンでもなくレバーでした。そして、同じレバーでも押したときと弾いたときで鳴る音が違う押引異音の楽器でした。

アコーディオンの歴史 - 改良

1838年 ウィーンの楽器製造家マテウス・バウアーがMM(トレモロ)音が鳴るよう改良

1850年頃 ウィーンの音楽家フランツ・ワルターが3列の押引同音のクロマチック・アコーディオンを考案

この楽器をヒントにマテウス・バウアーが鍵盤式アコーディオンを作る

1860年頃からイタリアでも改良が盛んになる

1880年 イタリア ストラデッラで今の左手ベースの仕組みが出来る。(ストラデラベース/スタンダードベースの誕生)

1911年 各地でフリーベースが作られ始める

1950~1960年 すぐれた品質で大量生産された

今のアコーディオンの形になってきたのが1838年~1850年頃。当時のウィーンは楽器製造の都でもありました。左手のボタンの数は48個くらいでそんなに多くはなかったようです。

19世紀末になるとリード製造に機械の導入を進めたドイツ、イタリアがアコーディオン製造の主力になります。今現在の左手配列はイタリア ストラデッラで完成しました。

ちなみに地名としての読みは「ストラデッラ」が正しいそうですが、日本でのベース配列の名称としては「ストラデラ」で普及したようです。

フリーベースは左手も1オクターブ以上の音域の単音が出せる楽器で、ストラデラベースとは配列が大きく異なり、いくつか種類があります。フリーベースの誕生によりクラシックアコーディオン(アコーディオンでクラシック音楽を奏でる)とも云える分野を生み出しました。

フリーベースには、ストラデラベースにフリーベースボタンを加えたもの、フリーベース(単音)しかないもの、コンバーター式と呼ばれる切り替えのできるものがあります。

19世紀末頃は高級器でベースの数が80だったそうですが、現在の高級器の左手ボタンの数は120個、フリーベースやコンバーター式だとそれ以上の楽器もあります。

電子アコーディオンの誕生

1960年代のエレキブームでアコーディオン人気は下火になります。各メーカーはアンプに繋げられる電子アコーディオンを開発し始めます。当時の電子アコーディオンは生アコーディオンの音+当時の電子オルガンのような音も出せるものでした。

完全に電子音でアコーディオンの音が再現できる楽器が誕生、販売されたのは2004年、ローランドのVアコーディオンです。センサーで空気圧を感知して強弱がつけられる仕組みで、より自然に演奏できるようになりました。

更にこの楽器のすごいところは各地域のアコーディオンの音色が出せること、左手の配列をストラデラ(スタンダード)にもフリーベースにもできること。さらに右手がボタンの楽器は出荷時のイタリー配列からベルギー配列、バヤン配列などに配列を変更できることです。(ちなみに私はボタン式はイタリー配列しか弾けません)

奏法に関しては電子でないアコーディオンと同じです

私は下の写真の2台を持っていますが、録音するときに直接録音機器につなげるので便利です。最近の参考音源はこれで録音しています。あと何といってもヘッドホンで夜間に練習できるのが最大の魅力です。

Vアコーディオンにも鍵盤式とボタン式があります。

写真左がローランドVアコーディオンFR-3x、右がFR-1xb

実は左手ボタンの無いアコーディオンの方が特殊

日本のアコーディオン事情

1950年  小学校の音楽教育にハーモニカが取り入れられる

1955年頃 ハーモニカのみでは合奏に限界があったためアコーディオンが取り入れられる。児童には大きすぎるとの理由で、文部省は左手のベース部無し、右手の音域がソプラノ、アルト、テノール、バスの4種のアコーディオンの製造を各メーカーに要請。

左手ボタン無し、右手の音域がそれぞれ分かれているアコーディオンは日本独自のものだったのです。そのアコーディオンも鍵盤ハーモニカにその座を奪われていきます。
学校教育で使われたアコーディオンが鍵盤式だったためか、日本では独奏用のアコーディオンも鍵盤式が普及していきます。

学校教育で使われていた左手側ボタンの無いアコーディオンを通常のアコーディオンと区別するために「合奏用アコーディオン」と呼ぶこともあります。
昔はソプラノアコーディオン(赤色)、アルトアコーディオン(緑色)、テナーアコーディオン(青色)、バスアコーディオン(灰色)で色分けされていたのですが、最近は赤色のみのようですね。

コンサーティナ、バンドネオンとは

同じ金属リード楽器で音は似ているのですが、アコーディオンの発祥地はオーストリア、コンサーティナはイギリスです、コンサーティナがドイツで改良されてできたのがバンドネオンです。

コンサーティナ、バンドネオンの誕生

イギリスの物理学者、チャールズ・ホイートストン卿は中国の笙に出会った後、フリー・リードの研究にのめりこむ。

1829年 ホイートストン卿、シンフォニウムという改良ハーモニカの特許をとる

1833年 ホイートストン卿、六角型の蛇腹つきシンフォニウム「コンサーティナ」を発明

1834年 ドイツ ケムニッヒでドイツ式コンサーティナである「コンツェルティナ」誕生

1846年 コンツェルティナを改良した「バンドネオン」発明

笙のリード部分を研究するのが当時のヨーロッパの物理学者の間で流行っていたそうで、その研究の中で生まれたのがコンサーティナだったのです。

蛇腹の両側に箱がついているタイプで押引異音、両手とも単音が出ます。クラシック音楽も奏でられるようにと改良されたのがバンドネオンで、この二つは親戚関係です。

そんなわけで、アコーディオンとコンサルティーナ、バンドネオンは金属リードを蛇腹で鳴らすという共通点はあるのですが、別々の場所で生まれ、演奏方法もまるで違い、箱の形、リードセットの作り方や本体への付け方も違うので音も違います。

最大の違いはアコーディオン(和音+器)の名前のとおり、アコーディオンはボタン1つで和音が出せることではないかと思います。

アコーディオンの左手側ボタンについては「アコーディオンの左手ってどうなってるの?」をご覧ください。

参考文献、資料

渡辺芳也『アコーディオンの本』(春秋社、1993年)

「アコーディオン研究」(全日本アコーディオン連盟、1978年1月号/1979年1月号/1980年2月号)

「アコーディオンジャーナル」(日本エキセルシャー・アコーディオンクラブ、1987年3月号/1988年2月号)

ボタン式アコーディオン とは(右手側 配列図あり)
鍵盤式アコーディオンとボタン式アコーディオン、どちらがいい?(右手側 配列図あり)
初めてのアコーディオン選び/左手ボタンの役割と数について(左手側 配列図あり)
アコーディオンの弾き方 概要、記事一覧

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