うまく弾けないとき

アコーディオン練習 - うまく弾けなくて困ったとき

このページにいらっしゃったということは、アコーディオン練習の何かでお困りですね?
あと、漠然とした問題の場合もあると思います。もうちょっとうまく弾きたいのだけれど どうしたらいいか分からない場合がそうですね。

弾けなくて困ったときは、どこで躓いているか、何を悩んでいるかをはっきりさせる必要があります。

何回練習してもうまく弾けない場合は、学習段階の飛び越しや抜けが起きている可能性があります。独学の方はどこで飛び越しや抜けが起きているかを自分で見つけることができるかどうかが独学成功への鍵です。

 

器楽演奏は積み重ね型の学習

アコーディオンに限らず独学では学習段階の飛び越しや抜けがよく起こります。

学習段階の飛び越しとは算数で例えると、たし算ができないのにかけ算をしようとすることです。
丸覚えでその場をなんとか乗り越えることも可能ではありますが、一度それをしてしまうとその後も丸覚えで対処していくしかなくなり、いつか破綻します。

丸覚えして弾けた体験から「練習=丸覚え」と思い込んだり、元から「何も考えなくても勝手に指が動いて弾けるのが『弾ける』ってこと」だと思っている方がたまにいらっしゃいますが、どの曲も丸覚えするとなると、練習はひたすら反復の苦行と化します。

音符休符の種類やボタンの位置など丸覚えするしかない要素もありますが、器楽演奏では積み重ね型の学習が必要です。

 

学習段階の飛び越しが起きやすいとき

体験レッスンや初回のレッスンでよくある光景に、生徒さんが「ドレミファソラシドを弾いて見せてくれる」というものがあります。楽器を手にして、まずドレミファソラシドを家で試みられたのでしょうね。
「せんせい! これでいいんですかね!? ドレミファソラシドってこうでいいんですかね!? でもこの指をくぐるのが難しくって、こんなドレミファソラシドも弾けないようじゃ全然ダメですよね!? 弾けるようになりますかね!?」
と訴える方が案外と多いのですけれど、楽器が初めての方の場合ですと、ドレミファソラシドを弾こうとした時点でもう学習段階の飛び越しが幾つか起きています。幾つかです。

この学習段階の飛び越しや抜けが起きやすいのは、「よく知っていて耳なじみのある曲」や「弾きたかった曲」を弾こうとしたときです。ドレミファソラシドを弾こうとしたのも「よく知っていて耳なじみがあるから」です。

しかし、「よく知っている曲」や「弾きたい曲」が易しい曲だとは限りません。
「よく知っている曲だから弾けそう!」と思ったときに、よく確認してくださいね。その曲の何をよく知っているのでしょうか? 拍子、Key(調性)、使っているコードとその進行、リズム、メロディーの音の並びをよく知っているでしょうか。鼻歌で歌える程度ではダメですよ。歌手の顔を良く知っているとか、その曲がかかっていた番組のことをよく覚えている、でもだめですよ。ドレミで歌えるくらいが「よく知っている」状態です。

何度も聴いて知っている曲でも、楽譜を見たときによく分からない箇所が多い時はまだその曲の挑戦段階ではありません。これは学習段階の飛び越しを防ぐ目安になります。

うまく弾けないときは学習段階の飛び越しや抜けがある可能性がある

学習段階の飛び越しや抜けがある場合、本人がその箇所を自覚していることはまずありません。なにせ覚えていないのですから当然といえば当然です。これが独学の最大の難関と言ってもいいでしょう。

教則本の場合は確実に分かるところまで戻りましょう。そこから見直しをします。教則を見返してみてぼんやりしたところがあればそこをはっきり分かるようにします。

演奏曲で何回練習しても弾けない箇所が出てきたときは、何を理解していないのかを徹底的に洗い出します。

・その曲の拍子を分かっているか、守れているか
・その曲の1拍の長さを分かっているか
・弾けるテンポまで落としているか
・調号、Keyを分かっているか
・音名、コードネームがすっと読み上げられるか
・音符休符の長さを分かっているか
・楽譜に出てくる記号を分かっているか

・楽器の持ち方を分かっているか
・右手鍵盤/ボタンの位置を分かっているか、しっかり思い描けるか
・左手ボタンの位置、押さえ方を分かっているか
・指番号を守れているか、きちんと指番号を決めているか
・蛇腹の開閉箇所を把握しているか、決めているか
・初めての要素か

分かっていないところが分かったら教則本の該当するページまで戻ります。初めての要素の場合は、逆に確実に分かっているところは何かを整頓し、何を学習すればよいかをはっきりさせます。そしてその要素の基礎的な知識と練習をしてから曲に取り掛かりましょう。初めての要素の場合でも、どうしたらいいのか見当も付かないくらいであれば、実力よりかなり先の段階のことをやろうとしてる可能性があります。

もうちょっとうまく弾くコツを求めている場合

ひと通り弾けるのだけれど漠然ともうちょっとうまく弾きたいという場合は、上記に該当するものが無かったと思います。その場合は「何が加わったら自分の演奏が更に良くなるか」を見つける必要があります。
教室の場合は講師の仕事になりますが、独学の場合は自分で見つけなくてはいけません。

まずは演奏を録音して聴いてください。そして以下をチェックします。

・良い音が出ているか
・テンポが安定しているか
・不自然なところでフレーズ(メロディーのまとまり)が切れていないか
・音が不自然にひっかかるところはないか
・強弱が適切についているか
・レガート、ノンレガートなど、曲の印象に合わせた表現ができているか
・音色スイッチの設定は適切か

見つかったら改善していきます。

・良い音が出ているか →まずは音の立ち上がりを確認しましょう。ふわ~っと立ち上がるようなら蛇腹の開閉速度が足りません。ふわ~っとした立ち上がりが必要な場合もありますが、常にそうなっている場合は無自覚に蛇腹を開閉している可能性が大です。素早く蛇腹を開閉したときの、パンっとかキンっとかいう響きがしたら、それがお持ちの楽器の「良い音」です。この辺りは文字で説明するには限界があります。色々弾いてみて確かめてください。

・テンポが不安定→拍を確認、メトロノームを正しく使って練習します。メトロノーム 合わせる

・不自然なところでフレーズ(メロディーのまとまり)が切れている →不自然なところで蛇腹を開閉していることがほとんどです。コードが変わるときに蛇腹の向きも変えてしまう人が多いので注意します。アコーディオンの弾き方/蛇腹の開閉箇所

・音が不自然なところでひっかかっている →運指を見直します。左手の場合は蛇腹の開閉の問題と関わっていることもあります。曲が速くて弾けない場合は弾けるテンポまで落として練習します。弾けるようになってから徐々にテンポを上げていきます。

・強弱が適切に付いていない →強弱のない演奏は味気ない印象を与えます。盛り上げるために大きく強くするところ、対比を付けるために小さく弱くするところがあるはずですので、まずはそこを意識して強弱をつけてみましょう。

・レガート、ノンレガートなど、曲の印象に合わせた表現ができていない →意識せず弾いていた方はまずはそこを見直します。楽譜には強弱以外にもレガート、ノンレガート、スタッカート、アクセントなど、色々な指示が書かれている場合がありますので、それを丁寧に見ます。

練習効率を上げたい場合

練習効率を上げたい、つまりもうちょっとはやく楽譜が読めたり、うまくなったりしたいという方もいらっしゃるかもしれません。
アコーディオン練習の仕方(私の教室の場合)をまずはお読みください。

練習時間(効率化)については
楽器練習の裏技
の記事があります。

 

【独習用】アコーディオン教則1巻(ボタン式/鍵盤式)
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追記

教室に通っているのに挫折!?

これはここ2、3年増えてきた学習段階の飛び越しです。迷子と言うべきかもしれません。

私の教室の生徒で、「他の教則本を購入したら書いてあることが教室で習っていることと違っていて混乱して弾けなくなった」、「YouTubeで課題と同じ曲を探して聞いたら貰った楽譜と違っていたからよく分からなくなった」という事例が数例ありました。

「それで、前回出した宿題はできましたか?」

「分からなくなったから、やってません。」

なんということでしょう、レッスン費1回分無駄にしましたね・・・。

講師や本によって教え方が少しずつ違うのは当たり前のことです。他の教材や資料を見る時に、そこにある内容よりもずっと先のことをすでにやっているのなら見ても問題ありません。しかし他の教材や資料を見て「分からないな」と思ったらまだその段階に到達していないということです。その場合はそれ以上その情報に触れない方が賢明です。

特に習い始めの方は注意してください。「え?なにこれ!?せんせいはこんなこと教えてくれなかったよ?!え?全然分かんない。これ分かんないと弾けないんじゃない?!」と不安になって、まだ到達できる状態ではないその情報をなんとかのみ込もうとすると訳が分からなくなります。上に書いた学習段階の飛び越しをした上に混乱してしまうのですね。
どこかの教室に通われている方は習われている講師からの情報に限ったほうが上達します。

一応書いておきますけれど、そもそも「他の本や動画を見て、分からなくなったから弾けなくなりました」なんていうのは、講師の方に対して失礼なことですから、すでにどこかの教室に通われている方は決してしないように。
「何かこの教室に不満がありましたか?」「その方の教室に行けばいいじゃないですか」くらいのことを言われても仕方がないくらい失礼なことです。

このサイトの活用についても注意してください。読まないでとまでは言いませんが、上記のことに注意してください。
インターネットで色々と調べられる便利な時代になりましたが、分からないことがあれば通っている教室の講師の方に訊きましょう。 これはごく基本的なことです。

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