ボタンアコーディオン とは何?
右手がピアノ鍵盤(いわゆる鍵盤)のアコーディオンも左手側はボタンだけれど、それはボタンアコーディオンとは違うの?
ダイアトニックアコーディオンやクロマチックアコーディオンという言葉もあるけれど、どういうことなの?
どんなアコーディオンがボタンアコーディオンなの?
どうやって弾き方を覚えればいいの?
これらの疑問を解決します。
ボタンアコーディオン(ボタン式アコーディオン) とは
ボタンアコーディオンはボタン式アコーディオンと呼ばれることも多く、この呼び方の違いに意味はありません。同様にピアノ鍵盤アコーディオンも鍵盤アコーディオン、ピアノ式アコーディオンと呼ばれることも多いです。(はっきりとした名称がないのが悩ましくもあります、このサイトでも以前は「式」をつけていましたが、式を取ってわかりやすい表記にかえた経緯があります)
アコーディオンの「ボタン」についてまずは整頓
アコーディオンでボタンと言うと、右手側のボタン、左手側のボタン、空気抜きボタンの3つがあります。
「アコーディオン ボタン」で検索すると、右手側もボタンのアコーディオンのページが出たり、左手側ボタンの説明のページが出たりするのはそのためです。
(左手側ボタンのことが知りたかったのにこのページにきてしまった方はアコーディオンの左手ってどうなっているの?へどうぞ。)
というわけで、
両方とも左手側はボタン。
混乱のないように書いておきますと、演奏者の右側になる(右手で弾く)側を「右側」「右手側」と呼びます。アコーディオンを床に置いたときには右手側が天井側に、左手側が床側にきます。
空気抜きボタンは本体左側面に付いていて(この写真だと見えませんが)、これはどのタイプのアコーディオンにもついています。音を出さずに蛇腹を開閉したいときに使います。
ボタンアコーディオン(ボタン式アコーディオン)というのは、右手側もボタンのアコーディオンです。さっきの写真だと
○で囲んだ方がボタンアコーディオンです。
ちなみに、
黄色で囲んだとこの「このボタンは何ですか?」という質問をよく受けます。これはボタンではなくてスイッチと呼ばれています。音色切り替えスイッチ(レジストスイッチ)といいます。リード(金属笛)の組み合わせを変更することにより音色を替えられます。音色切り替えスイッチについてはアコーディオンの選び方/6つのポイントでより詳しく書いています。
ボタンの黒白は何?
右手側の黒白は鍵盤でいうと白鍵と黒鍵の違いです。♯♭の付く音が黒色のボタンになっています。 楽器によっては♯♭の付くボタンも同色のボタンになっていることもあります。
左手側の黒白はただの模様です。左手側は音の違いで色分けしている訳ではないのですね。演奏中は左手側は全く見えません。
写真のローランドのVアコーディオンはV模様になっていますけれど、メーカーによってはW模様や縞模様もありますが、一番多いのは単一色です。
クロマチックアコーディオン とは?
ボタン式アコーディオンについてお調べになった方のなかには「クロマチックアコーディオン」という言葉に触れた方もいらっしゃるかと思います。ではクロマチックアコーディオンとは何かというと、
四角で囲んであるのがクロマチックアコーディオンです。そう、両方ともクロマチックアコーディオンなんです。
クロマチック(chromatic)‐ 半音階 という意味で
クロマチックアコーディオン → 半音階で並んでいるアコーディオン ということ
ピアノ鍵盤(いわゆる鍵盤)だと白と黒の鍵盤を並んでいる順番に押せば半音階(半音ずつ上昇、下降)になります。ボタンアコーディオンの右手側もピアノ鍵盤同様に、白と黒のボタンを順番に押せば半音階になります。
「え? ボタンアコーディオンのことをクロマチックアコーディオンって言うんじゃないの!?」
半分正解。
実はアコーディオンには大きく3種類あります。
アコーディオンにはダイアトニックアコーディオン というものもあるんですねえ。
こういうのです。フリー素材のサイトから写真をひっぱってきました。
見分け方としては左手側のボタンの並び方が違います。
このタイプのアコーディオンが主流の音楽もあるんですよ。
ダイアトニックアコーディオン → ダイアトニック(diatonic)スケールが出るアコーディオン です。
ダイアトニックスケールは日本語では「全音階」と呼ばれています。これは階名でいうところのドレミファソラシドです。身近なダイアトニックスケールの楽器としては小学校で使用されているハーモニカがあげられます。(小学校で使うハーモニカはCダイアトニックスケールのハーモニカで♯♭の付いている音がありません。)
このダイアトニックアコーディオンも右手側がボタンなので、ダイアトニックアコーディオンとはっきりと区別させるために、ボタンアコーディオンのことを「ボタン式クロマチックアコーディオン」「クロマチックアコーディオン ○○配列」と言うことがあるんです。
ピアノ鍵盤(鍵盤式/ピアノ式)にダイアトニックは無いので、ピアノ鍵盤式クロマチックアコーディオンと呼ぶことはほとんどありません。(追記/アコーディオンカタログに Chromatic piano key accordion と書かれていることがあります。)
そのため、クロマチックアコーディオンと呼ぶときは主にボタンアコーディオンを指すようになったのです。
ちなみに楽器が出来た順番としては
ダイアトニックアコーディオン → ボタン式クロマチックアコーディオン(初期はレバー式) → ピアノ鍵盤アコーディオン
です。
このサイトで云う、ボタンアコーディオンは ボタン式クロマチックアコーディオン のことです。さらに云うとイタリー配列(Cシステム)を扱っています。楽器店で特別な注文なく買えるボタンアコーディオンはこの 配列になります。ローランドのVアコーディオンのボタンタイプも、初期設定(電源を入れてすぐに弾ける状態)ではイタリー配列(Cシステム)になっています。アコーディオンのカタログには C system と書いてあることが多いので覚えておいてください。(ベルギー配列は B system)
※私がイタリーという古めかしい言い方に慣れていたのでこのサイトではイタリーと書いていますが、イタリアのことです。
どうやって弾き方を覚えればいいの?
どうやって弾き方を覚えればいいのか・・・
結論からいうと自分で作った教則本の宣伝をするわけですが、それだとあんまりなので、ちゃんと書きます。
教室が近くにある場合は教室に通うのが一番いいです。(これはボタンアコーディオンに限らずどの楽器にもいえることですが)
しかし、教室が少ないですよね、そうなると独習になると思います。全く何の手がかりも無しに弾くのは厳しいので、何か教則本を手に入れるのが良いでしょう。
教則本を選ぶポイントと練習のポイントですが、運指には大きく、5本使うタイプ、4本使うタイプ(親指を使わない)、3本使うタイプ(人、中、薬/親、人、中)があります。好みのタイプを選び、教則本を手にいれたら浮気しないことです。
というのも、このボタンアコーディオンという楽器はかなり自由度が高く、同じ指の本数を採用している教則本でも書いた人によって運指が違ったりします。そんなわけで色々集めて読めば読むほど分からなくなります。これだと決めたら、ある程度弾けるまでその教則本の情報に絞るのが吉です。
私が販売している教則本は5本指を使うタイプです。実際の教室で使っていた資料や練習曲を独習用に作り直した本です。ボタンアコーディオン教則の中でも日本語で書かれているのは独習をする方にとっては良い点だと思っております。アコーディオンが初めて、楽器を触るのも楽譜を読むのは学校の授業以来という方を想定して書いています。
解説動画260分(4時間20分)超、中身を下の紹介動画でちこっと見れます。
さらに詳しくは 独習用アコーディオン教則本 のご案内 で書いています。
販売は アコーディオン教則 - みかづきアコーディオン で行っております。
実際ボタンアコーディオンを弾いてみて
私はピアノ鍵盤アコーディオンを習得してからボタンアコーディオンを習得しましたが、ボタンアコーディオンを弾いてみて「なかなかいいね!」と思いました。ピアノ鍵盤アコーディオンも好きですが、ボタンアコーディオンも好きですね。最近の自分の演奏動画はピアノ鍵盤とボタンと半々です。
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